糖尿病網膜症の病期は、「単純」「増殖前」「増殖」にそれぞれ分けられ、治療法もこの病期に対応して変化してきます。また、視力低下を引き起こす「糖尿病黄斑浮腫」はすべての病期で起こることがあります。
単純糖尿病網膜症
症状としては、小さな眼底出血や白斑が見られますが、自覚症状はありません。
治療の必要は無いのですが、定期的な経過観察が必要です。3ヶ月に1回程度、受診しましょう。
増殖前糖尿病網膜症
症状としては、小さな眼底出血に加えて、網膜における血液の流れが悪くなります。視力が低下しないことも多く、自覚症状が無い場合もあります。
放置すると増殖網膜症に進行しやすいため、血流不足で酸素や栄養不足になった部分の網膜にレーザー治療を行う必要があります。1ヶ月に1回程度の受診を要します。
増殖糖尿病網膜症
眼内に広く出血する硝子体出血や増殖膜ができて、それによる牽引性網膜剥離、難治な血管新生緑内障など、様々な状態が引き起こされます。
治療としては、レーザー治療はもちろん必要ですが、進行を阻止できない場合は、硝子体手術が必要になります。